第154章

エミリーはエンバーに手を引かれるままに歩きながら、その口元から微笑みを絶やさなかった。

カフェでの先ほどの騒動がまだ頭の片隅に残っていたものの、エンバーの伝染するような興奮が、張り詰めていた神経の最後の糸まで吹き飛ばしてくれていた。

彼女はこの機に乗じて自分の目的を口にし、優しく言った。「そういえば、エンバー。実はネクタイピンに合う石を探しに、クラウン・ジュエリー・プラザへ行くところなの」

「ネクタイピン?」

エンバーは歩みを緩め、好奇心から小首を傾げた。「それって、アイリスの新しいデザイン用? どんなスタイルの話?」

「ちょうどデザインが完成した、茨のモチーフよ。贈り物にしようと思...

ログインして続きを読む